表紙
はじめに
T 画面の説明
U 表の扱い方
V フォルダの扱い方
W 集計表示の仕方
1 集計対象
2 集計カラムの操作
(1) カラムの挿入
(2) 集計追加
(3) カラム編集
(4) カラムの表示/非表示
(5) カラム削除
(6) カラムのコピー/貼付け
(7) カラムの移動
(8) ソート
(9) 小計行の有無
(10) 検索表示から集計カラムを追加
3 複数集計
(1) 下位フォルダ複数集計
(2) 集計表比較
4 クロス集計
(1) 集計Aと集計B
(2) クロスカラムの増減
5 集計カラムと方法の列表示
6 集計行の選別
7 集計のマーク
8 変化の集計
9 集計値を条件とする検索
10 伸縮表示
11 比率表示
12 色分け表示
13 グラフ表示
(1) グラフの種類
(2) 視点の選択とグラフ
(3) 複数集計とクロス集計のグラフ
(4) グラフの印刷とファイル出力
(5) グラフの値表示とドリルダウン
(6) グラフのポップアップメニュー
(7) グラフの範囲指定
14 カード表示
(1) 集計カード表示
(2) グラフカード表示
15 結果表示の独立とボード表示
16 集計結果の保存
X 参照用グリッド
1 グラフにドロップ
2 集計にドロップ
3 フォルダにドロップ
4 検索条件図にドロップ
Y HTML出力
1 文字枠
2 伸縮表示
3 グラフ
4 集計表
Z 式と組込み関数
[ プログラム引数とコマンドモード
\ アクセス制御
1 アクセス制御の有効化
2 ユーザの追加・編集・削除
3 グループの追加・編集・削除
4 アクセス権の設定
] 操作ログ
]T ライセンスの設定

W-8 変化の集計

「変化の集計」は複数集計で集計結果を複数並べ、並んだ集計値の変化を次の2つの方法で分類・集計し表とグラフにまとめます。
  1. 増減比率 : 最後の集計値とそれまでの値との比率
  2. 連続増減回数 : 最後の集計値に至る値の増減傾向が連続する回数

以下の例では、担当者別に月毎の売上金額の合計を求めています。
分析したい月とそこからさかのぼって数ヶ月間の売上金額を比較することでその時点での状況を把握します。

データを売上月で検索するフォルダと担当者別に売上金額の合計を求める集計書式で、フォルダを複数開いて複数集計をします。以下の例では2010年の4、5、6月を集計しています。
変化の集計

マウスの右ボタンを押して表示されるメニューから「変化の集計」を選択します。
変化の集計

「複数集計における変化の集計」ウィンドウが開きます。
ウィンドウには【増減比率(%)】と【連続増減回数】の2つのタブがあります。
以下は【増減比率(%)】タブを選択した時の表示です。
複数集計における変化の集計
1 「閉じる」 ウィンドウを閉じます
2 「集計を選別」 増減をまとめた表の選択中の行に対応する集計行を選別します (増減表の行を選択するには、表の111213の部分を左ボタンでクリックします)
3 「選別を戻す」 ひとつ前の選別に戻します
4 「選別を解除」 選別を解除し全ての集計行を表示します
5 「条件フォルダ作成」 最後に選別した情報を検索条件にしたフォルダを作成します
6 「表一覧表示」 複数種類の変化の集計表を別ウィンドウで表示します
7 「増減比率(%)」「連続増減回数」を切り替えます
8 計算対象の集計値を選択します
9 比率対象の違いよる計算方法を次の4つから選択します
1:前回値に対する増減(%)、2:平均値に対する増減(%)、3:先頭の値に対する増減(%)、4:増減の開始値との比
10 増減の集計表の1行の範囲を%単位で指定します
11 増減比率の範囲を示し、「+100以上」と「-100未満」間の行は、【その行の数字】以上、【上の行の数字】未満、を示します
「前回から消滅」は最後の集計に値がないもので、「初登場」は最後の集計にだけ値があるものです
12 先頭の見出行の右端の▼をクリックして、該当する範囲に分類される集計値の加工の仕方を次の6つから選択します
1:件数、2:集計値(の合計)、3:差額(の合計)、4〜6:それぞれの総計に対する%
13 増減比率が+の小計、‐の小計、初登場の小計で、その3つを足すと集計の行数になります
14 増減比率毎に求めた値(11)のグラフです

以下は【連続増減回数】タブを選択した時の表示です。
複数集計における変化の集計
12345678 【増減比率(%)】タブと同じです
9 比較する相手の違いによる増減回数を次の2つから選択します
1:前回値に対する増減回数、2:平均値に対する増減回数
10 比較して値が変わったと判定する時の大きさを%で指定します
11 連続する増減回数を4回増加〜4回減少の間と5回以上の増減で分けます
「前回から消滅」は最後の集計に値がないもので、「初登場」は最後の集計にだけ値があるものです
12 先頭の見出行の右端の▼をクリックして、該当する範囲に分類された集計値の加工の仕方を次の6つから選択します
1:件数、2:集計値(の合計)、3:差額(の合計)、4〜6:それぞれの総計に対する%
13 増減回数が+の小計、-の小計、なしの小計、初登場の小計で、その4つを足すと集計の行数になります
14 増減回数毎に求めた値(12)のグラフです


増減比率の種類

増減比率の種類には次の4つがあります。
  1. 前回値に対する増減(%)
  2. 平均値に対する増減(%)
  3. 先頭の値に対する増減(%)
  4. 増減の開始値との比
種類の違いによる増減比率の変化を集計行を選別して見てみます。

種類を「前回値に対する増減(%)」にして「+100以上」を選び、「集計を選別」をクリックします。
増減比率の種類

集計表示は以下のようになります。
最後の集計は「2010/06」、前回値は「2010/05」ですが、11行目だけは「2010/04」が前回値になります。
増減比率の種類

種類を「平均値に対する増減(%)」にすると変化の集計は以下のようになります。
「+100以上」の16件が10件になり、残りの6件が「+60」、「+20」、「-60」、「-100」に分類されます。
増減比率の種類

「前回値に対する増減」の時は「+100以上」だった集計のうち6件は増減が「+100以上」ではなくなりました。
「-60」を選別すると集計表示は以下のようになります。
増減比率の種類

2010/04と2010/05の平均値を元に増減を計算すると以下のようになります。

平均値
増減比率(%)

(469,155+48,320)/2=258,737.5 (138,320-258,737.5)/258,737.5*100=-46.5

(339,755+23,790)/2=181,772.5
(90,060-181,772.5)/181,772.5*100=-50.4
変化の集計表の「-60」は -60 以上 -40 未満なので正しくカウントされていることが分かります。

2件を選別した状態で、種類を「先頭の値に対する増減(%)」にすると変化の集計は以下のようになります。
増減比率の種類

この時の集計表示は前と同じで以下のようになります。
増減比率の種類

先頭の値を元に増減を計算すると以下のようになり、「-80」の行にカウントされます。

先頭の値
増減比率(%)

 469,155   (138,320-469,155)/469,155*100=-70.5 

 339,755   (90,060-339,755)/339,755*100=-73.4 

2件を選別した状態で、種類を「増減の開始値との比(%)」にすると変化の集計は以下のようになります。
増減比率の種類

増減の開始値を特定するためグラフを見ます。
増減比率のグラフ

増減の開始値を元に増減を計算すると以下のようになり、「+100以上」にカウントされます。
 行 
 増減の開始値  増減比率(%)
 1
 48,320    (138,320-48,320)/48,320*100=186.2 
 2
 23,790   (90,060-23,790)/23,790*100=278.5


連続増減回数の種類

連続増減回数の種類は次の2つがあります。
  1. 前回値に対する増減回数
  2. 平均値に対する増減回数

2010年の1月から6月迄を複数集計した時の「複数集計における変化の集計」ウィンドウの【連続増減回数】タブで「平均値に対する増減回数」は以下のようになります。
連続増減回数
「4回増加」と「4回減少」を選択し「集計を選別」をクリックして選別します。

選別後、「前回値に対する増減回数」は以下のようになります。
連続増減回数

集計表示は以下のようになります。
連続増減回数

連続増減回数は、最後の集計(2010/06)から遡って増減をみていき、増減の傾向が変わる直前までの同じ傾向の増減の回数を指します。
前回値に対する増減は以下のようにまとめられ、1行目が1回減少、2行めが2回減少になります。

 担当者 
 2010/01 
 2010/02   2010/03   2010/04   2010/05   2010/06 
 1
黒田 斉
 初め  減少  増加  増加  増加  減少
 2
西郷邦彦

 初め  減少  増加  減少  減少

前回値に対する増減回数は以下のグラフでも確認できます。
連続増減回数のグラフ

「平均値に対する増減回数」を見るために、平均値を求めます。
平均値は比較する月より前の全ての月の平均で、以下のようになります。

担当者2010/012010/022010/032010/042010/052010/06
 1
黒田 斉
114,270
 初め
合計 168,475
平均 84,237
 減少
合計 309,105
平均 103,035
 増加
合計 799,565
平均 199,891
 増加
合計 1,419,890
平均 283,978
 増加

 358,680
 増加
 2
西郷邦彦


 860,590
 初め
合計 946,790
平均 473,395
 減少
合計 1,404,845
平均 468,281
 減少
合計 1,577,985
平均 394,496
 減少

 51,840
 減少
増減回数は1行目が4回増加、2行めが4回減少になります。


連続増減回数の閾値(%)

連続増減回数の閾値(%)は、値を比べて増か減かを決定する際の、値が変わったと判定する大きさを%単位で指定することができます。
値Aの値Bに対する増減は、閾値(%)をCとすると
  • A ‐ B >  A × C ÷ 100 ならば増加
  • A ‐ B < ‐A × C ÷ 100 ならば減少
  • それ以外は増減なし
と判定します。

閾値(%)の違いによる回数が変化する例として以下のような集計を挙げます。
連続増減回数
この例は閾値が0〜8%までは「1回増加」ですが、9%になると4回減少になります。

閾値が8%の時は、以下の様な計算になります。
2010/06 が増加、2010/05 が減少と増減傾向が変わっているので、連続増減回数は増加の1回となります。

担当者
2010/01
2010/02 2010/032010/042010/052010/06
 1
石塚 慎吾
 438,290
 291,080

差 -147,210
閾値 23,286
 減少
 256,215
 [258,360]
差 -34,865
閾値 20,497
 減少
 256,215

差  -2,145
閾値 20,497
 なし
 209,505

差  -46,710
閾値 16,760
 減少
 227,910

差  18,405
閾値 18,232
 増加
注)差が閾値の範囲内で判定が「なし」の場合、次の比較は「なし」の値を使う
注)閾値は小数点以下切り捨て

閾値が9%の時は、以下の様な計算になります。
増減がなしの所は傾向が変わっていないとみなすので、2010/01 までの減少傾向となり、その後、増減なしうち、全体の増減傾向(この場合は減少傾向)と同じ傾向のものを回数に加えるので、連続増減回数は減少の4回となります。

担当者
2010/01
2010/02 2010/032010/042010/052010/06
 1
石塚 慎吾
 438,290  291,080

差 -147,210
閾値 26,197
 減少
 256,215
   [258,360]
差  -34,865
閾値 23,059
 減少
 256,215

差   -2,145
閾値 23,059
 なし
 227,910
   [209,505]
差  -28,305
閾値 20,511
 減少
 227,910

差  18,405
閾値 20,511
 なし
注)差が閾値の範囲内で判定が「なし」の場合、次の比較は「なし」の値を使う
注)閾値は小数点以下切り捨て

表の一覧表示

「表一覧表示」をクリックすると「変化の集計表一覧」ウィンドウが表示されます。
変化の集計表一覧

【増減比率(%)】タブの時表示されるのは次の12の表です。
前回値に対する増減
件数
..............
集計値
..............
差額
..............
平均値に対する増減
件数
..............
集計値
..............
差額
..............
先頭の値に対する増減
件数
..............
集計値
..............
差額
..............
増減の開始値との比率
件数
..............
集計値
..............
差額
..............

【連続増減回数】タブの時表示されるのは次の6の表です。
前回値に対する増減
件数
..............
集計値
..............
差額
..............
平均値に対する増減
件数
..............
集計値
..............
差額
..............


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